以下NPO地域資料デジタル化研究会に聞いた内容である。
陸前高田市立図書館は館長以下職員全員が津波に流されるという壊滅的な状態にもかかわらず、県の指定文化財である吉田家文書のデジタルデータが泥まみれの状態で見つかりました。
陸前高田市古文書研究会の方々の熱意とともにデータの復旧、
広報りくぜんたかた等の資料のデジタル化に着手することになりました。
大槌町もまた津波によって図書館は全滅。
現地に残った一スタッフ(司書)が集めた泥まみれの地域資料に心を動かされました。
佐々木健館長の町を思う情熱に動かされこの地に残る町の資料を出来るだけ残して行きたいと考えました。
完全に資料を復旧することは難しいけれど、残っている資料をデジタル化することで、「その場所にその資料が存在していた」ことの証しを残すことができるのではないかと考えるに至りました。
自らも被災された現地のご担当者の方、協力を惜しまずに参加してくれる大学生たち。
そして何よりもNPO法人に志を同じくして集う仲間たち。みなさんの力を被災地に届けよう。
私たちは、地域資料のデジタル化によって、復旧・復興の一助になりたいと願っています。
現地において津波被害にあった地域資料を回収し
可能な範囲でクリーニングを行なうと同時に
それぞれの資料をデジタル化技術を用いて、地域の歴史や文化を伝える地域資料保存を行なっています。
(1)デジタル化技術:デジタルカメラによる撮影方法
(2)デジタル化技術:イメージスキャナによるスキャニング方法
(3)ファイル形式 :単ページまたは見開きページのPDF画像、冊子ごとにまとめたPDF
(4)メタデータ付与:検索可能なメタデータを付与
当会の理事長 小林是綱は平成21年4月から、岩手県立図書館の指定管理者統括責任者として現地で着任しておりました。
当日も盛岡にて被災し、8日間の避難生活を経て、山梨に戻ってまいりました。
その後被災地域の図書館復興のため尽力し続けています。その願いは人一倍強いのです。
その理事長が、大槌町の図書館で山梨県北杜市にある大津山実相寺の「山高神代桜」の絵を偶然見つけました。
偶然ではありますが、縁が私たちを導いていると強く感じました。
その後この絵のご縁で中島千波画伯の絵が岩手県大槌町に贈呈されることになりました。
そして平成24年4月13日(金)山高・実相寺境内(山梨県北杜市武川町)において
中島千波画伯自ら岩手県大槌町に絵が贈呈されました。
当日は大槌町を励ますイベントも行われたということです。
デジタルアーカイブの作業は現在も続いています。
デジ研、そして都留文科大学の学生ボランティア
更には盛岡大学の学生ボランティアの協力のもと地道ながら着実に進んでいます。
まずはこの資料をデジタル化し、皆さんに届けられるよう頑張ります。
下の写真左、被災直後の図書館
写真中央は、資料から泥や砂を取り除くなどの作業
写真右は、津波に飲み込まれながら流されなかった資料