山梨県内避難者と県民の心をつなぐ
フードバンク山梨は、東日本大震災による山梨県内避難者の皆さまに向け、市町村の福祉課や社会福祉協議会からの依頼を受けて食品の提供を行なっている。フードバンク山梨の担当者に聞いた。
当初は、集団で避難している方と個人で避難している方があり、その状態により食品を別々に分けて準備した。時には、求められた食品の種類がそろいきれず、他の物で対応したこともあり、苦労も多かった。また、食品はもちろんのこと衣類や日用品なども提供した。配達は、依頼をもらった福祉課や社会福祉協議会の皆さんが担当してくれた。
5月になると提供先の件数も落着き、県内避難者の皆さまへの食品の提供はだいぶ減ってきている。しかし、結ぶ会のアンケート調査から、新たに食品の提供先が出てきた。食品の提供が必要とする方を一人も見逃すことが無いようにするには、今後も継続した行政や各団体の取り組みや地域住民の間の声掛けなどが大切となる。
現在は、フードバンク山梨が配達もしながら、県内避難者への食品の提供を続けている。また、送られる荷物には食品とともに声掛けのお手紙も添えられ、お返事いただいた時は、お元気そうな様子にホッとする。今も食品の提供をとおして山梨県内避難者と県民の心をつないでいる。
左の写真は、フードバンク山梨に寄せられた食品を受け取っているときの様子。
寄せられた物資の寄付は、4月30日までに23,623kg(約24トン)。
震災直後の3月16日から5月9日までに、県内避難者への食品の提供は、7市町村 38世帯(約117名)分664kg。
さらに、福島県から山梨の温泉へ招待された方への食品の提供は、2回 約430名分 986kg。
石巻市で炊き出しを行なう団体へ食品提供275kg。
被災地への物資の提供は、8月8日までで 25,199kg(約25トン)。 宮城県、福島県へ20便(10kg~8トン/1便)。
寄せられた義援金は、6月7日までで 599,851円
震災直後から、県内避難者のみならず被災地に向けて食品などの提供を県外のフードバンクと連携して行なった。
フードバンク山梨は、日頃から市町村の福祉課や社会福祉協議会との間に信頼関係があり、連携して県内避難者への食品などを提供することができた。
また、提供先の状況に合わせ、出来る限りそれにそった食品を多くの皆さまに送り続けてきた。生活困窮者への食品提供の場合は、火を使って調理ができない方もおり、缶詰などはもちろんのこと、アルファー米(火を通さなくてもても食べれる)なども提供してきている。それは、食品をお寄せくださる企業や団体、個人の皆さまとの間にも信頼関係があってこそ成り立つ。
そういった日頃の活動が、今回の県内避難者の皆さまへの対応に大いに役立ったようだ。
賞味期限内の食品で、まだ十分食べられるにもかかわらず、印字ミスや箱が壊れたりして販売できない食品を企業や農家などに寄贈していただき、障がい者施設、児童養護施設、生活困窮者などに無償で提供する活動。
下の写真は左から、寄せられた食品を提供先に送るための箱詰めの写真。フードバンク山梨の拠点の入口の写真。寄せられた食材で炊き出しをしている写真。